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努力できない人は理想に固執する。努力を習慣にするための対処法

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人は、人生の中で幾度も、未来の自分の理想像について考えるだろう。

「仕事で成果をあげている自分」

「英語を自由自在に使いこなしている自分」

「志望校に合格した自分」

抱く願望は様々だが、理想の自分と今の自分の間に少しでも隔たりがある場合、そこに到達するには必ず努力が必要になる。

とはいえ、努力を継続することは簡単なことではない。どんな日でも休まず弛まず、地道にやるべきことをやり続けている人は、ごく一部の方々のみだろう。多くの方は努力を継続できず「なぜ自分は努力できないのだろう」と悩んでいる。努力ができるのは、才能のある一部の人だけだと諦めてしまった方もいるかもしれない。

しかし本当はそうではない。努力は「才能があるから」できるのではなく「習慣にする方法を知っているから」できるものだ。習慣にする方法さえ知っていれば、努力は誰にでもできる。

そこで今回は、多くの人が努力できない本当の理由と、努力を習慣にするための具体的な対処法を紹介する。

努力できないのには必ず理由がある。逆に、努力できない本当の理由さえ理解できれば、対処法はいくつでも考案することができる。問題解決に臨む際には、何事もまず問題の構造を理解し、課題発見に最も時間を割くもの。そのために、まずは本記事を自身の状況と照らし合わせながら読み進めていただくことをおすすめする。

 

目次

 

あなたが努力できない本当の理由

理想に縛られすぎているため

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目標を定めて努力をする際、多くの人は今後の計画を立てるはずだ。いつどこでどんなことを何時間行うか、1日にやるべきことをある程度具体的に定めてから取り掛かる。最初は計画通りに事を運ばせようと、皆意気揚々と取り組み始める。

それなのにほとんどの方が途中で努力をやめてしまうのは、やるべきこととして決めていた作業を先延ばしにしてしまうことがきっかけだろう。先延ばしにしてしまった自分に嫌気がさしてモチベーションが下がり、結局計画を潰して努力をやめてしまう というパターンが最も典型的なのではないかと思う。

なぜ人は、やるべきことを先延ばしにしてしまうのだろうか。それが結果的には自分のためにならないと分かっているのにも関わらず。

アメリカの心理学者ネイル・A・フィオーレは、この理由を

  • 描いた理想と現実のギャップから生まれる不安・焦りから逃げて一時的に楽をするための自己防衛本能が働くため

としている。理想を実現するために立てた計画を遂行しようという強い気持ちが、日々の努力を「やらなきゃ」という強迫観念に変え、計画通りに進まなそうな事に不安や焦りを感じさせているのだ。そして人はその不安や焦りから逃げるために、やるべきことを先延ばしにすることで、一時的な快楽を得ているとのこと。

この先延ばしの行動により、人は計画通りに努力ができない自分に自己嫌悪を覚え、自信をなくし、より大きな不安に襲われるという負のスパイラルに陥り、結果努力すること自体をやめてしまうようだ。

描いた理想に対する強い固執が、努力しようと頑張っているあなたの足を引っ張っていると言える。これは多くの人が努力をやめてしまう原因として、最も大きなものかもしれない。

 

目的が明確じゃないため

「理想に固執することが努力をやめてしまう大きな原因だ」と前述したが、逆に目的がないことも、努力が続かない理由の一つになり得る。

あなたは何を目指して努力しようとしているだろうか。

例えば、英語の勉強をしようとしている方。

社会人であれば、社内出世、海外赴任、外資系企業への転職、海外大学院留学など、様々な理由があるだろう。

学生であれば、交換留学、英語力が必要な企業への就職等々が主なものだろうか。

では、それを達成する目的はなんだろうか?

もしこの質問に答えられなければ、それは目的がある状態とは言えない。

上記で挙げた「社内出世」「海外留学」等は、どれも目的ではなく目標だ。目的とは、突き詰めて考えれば「自分が生きたい理想の人生・生き方」と同義だ。目的がないと、「私は何のためにこれをやっているのだろう?」という状態に陥りやすくなる。描いた理想に固執することは不安や焦りを生み出しかえって逆効果になるが、自分の努力に目的を見出せなくなることも、努力をやめてしまう要因の一つとなる。

 

努力以外の時間が充実していないため

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これは、完璧主義の傾向がある方に特に当てはまるかもしれない。

たくさん努力しようという意識は素晴らしいものだ。しかし多くの場合、いつの間にかその意識は「暇さえあれば努力しなければ」という思い込みを生み出す。その思い込みは、当然、遊びや休息の時間の邪魔となる。休日に友人や会社の同僚と遊んでいても「こんなことをしている場合じゃないのに」という罪悪感が働き、中途半端にしかその時間を楽しめなくなる。

しかしそんな人ほど、いざ勉強など努力をし始めた途端に「最近遊んでないなあ」「本当はゆっくりしたいなあ」と思い始めるのだ。結果、勉強に集中することができず、思うように努力できなくなる。そして「本当はこの瞬間必死で努力しているはずだった理想の自分」とのギャップに苦しみ、焦りが生まれ、自信をなくし、自己防衛本能が働いて努力自体をやめてしまう。

努力を継続するためには、努力以外の時間も充実させる必要がある。

 

努力を習慣にするための対処法

対処法の大前提:あなたは怠け者ではないこと、そして気合いのみでは対処できないことを理解しよう

大前提として押さえておきたいことがある。それは「あなたは怠け者ではない」ということと「気合や根性といった精神論のみでは対処できない」ということだ。

前述した通り、人が努力できない大きな要因の1つは「自己防衛本能が働くため」だ。それは人として自然なものであり、決してあなたが人より特別怠惰だからではない。

また、対処法として、精神論や自己啓発のみに頼るのもよくない。努力を先延ばしにしたいという自己防衛本能が働くたびに、精神論や自己啓発に走って対処しようとすると疲れてしまうし、そもそも人間の心は強くないため、精神論だけではすぐに自己防衛本能に負けてしまう。

大事なのは「努力を習慣にするための仕組みを作って実行する」ということ。人が毎日3食食べるように、朝歯磨きをするように、そして夜お風呂に入るように、努力を生活の一部の習慣として取り入れるための仕組みを考えよう。

今から「考え方」と「仕組み化」の2つのカテゴリーに分けて対処法を紹介する。どちらか片方のみを実践することはせず、両方の対処法を実践することをおすすめする。

 

対処法 考え方編①:「昨日より今日どれだけ成長できたか」に意識を向ける

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理想ばかりに目を向けていると、現実とのギャップに苦しむことになる。そうではなく、昨日より今日の自分がどれだけ成長できたかを毎晩意識して考えてみよう。一つでもできることが増えると、人は成長を実感できモチベーションがあがる。

昨日の自分との相対的成長感を大切にしよう。そして、遠い未来ではなく今日と明日果たしたいことに意識を集中しよう。そうやって毎日努力している自分をしっかりと褒めてあげること、これが大事だ。

 

対処法 考え方編②:「これを終わらせなきゃ」ではなく「これを始めよう」と考える

「これを終わらせなきゃ」と考えることには2つのマイナスポイントがある。それは「終わらせる」 ことに意識を向けているということと、「〜しなきゃ」という強迫観念になっているということだ。

終わらせることに意識を向けると、必要な労力が非常に大きく感じられ、なかなか一歩踏み出せません。そこで「終わらせる」ことではなく「始める」ことに意識を向けよう。心理的ハードルが低くなることを実感できるはずだ。始めることさえできれば、脳の側坐核という部分が刺激されやる気が上がる(作業興奮理論)ため、最初の一歩に注力しよう。

また「〜しなきゃ」を「〜しよう」という言葉に置き換えるだけで、外発的な強迫観念を内発的なものに転換することができる。その結果プレッシャーが軽減され、不安や焦りの感情が和らぐ。

 

対処法 考え方編③:目的を明確にし、モチベーションが下がった時に思い出す

描いた理想に固執することは前述した通り不安や焦りを生み出しかえって逆効果になるが、目的を適度に意識することができれば、モチベーションが下がって努力をやめそうになった時の力強いストッパーとなる。

自分が理想とする人生・生き方を考え、モチベーションが下がった時にそれを思い出してみてほしい。仕組み化にもなりますが、手帳などに理想の未来を表現したイラストや写真を入れておくと、思い出しやすくなる。

ただこの時、間違っても、周囲の風潮に流されて目的を設定しないよう気をつけてほしい。他者は他者、自分は自分だ。「自分が本当に達成したいと思える目的を一生懸命考えた」と言っていても、実はその理想は外発的に生み出されたものだったなんてことは十分ありえる。本心じゃない理想を抱えて生きるのは、自分自身を苦しめ続けるだけだ

目的を設定した上で、目標も明確にしよう。なるべく達成しやすく、尚且つ数字で達成率が計れる定量目標がおすすめ。

 

対処法 仕組み化編①:努力に対しての自分のクセを理解する

自分がどんな時に努力を怠り、逆にどんな時に努力できるのかをメモしよう。

例えば、あなたが今日努力できなかった場合、

  • 自分は前日何時に寝たのか。睡眠時間は何時間だったか
  • 1日に何食、何を食べたか
  • 1日のスケジュールはどんなものだったか
  • 努力しようとした場所はどこか

等々を記録する。こうすることで、自分が努力を怠るケースと努力できるケースに法則性を見出すことができる。

クセを理解できたら、あとは努力できる法則性に則って、自分に合った環境を作り出そう。

 

対処法 仕組み化編②:睡眠・食事・娯楽の時間を真っ先に天引きしてスケジュールを作る

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努力を継続させるためは、前述の通り努力以外の時間も充実させることが重要になる。そのため、スケジュールを作る際は、まず自分に必要な睡眠時間・食事時間・最低限の娯楽の時間を真っ先に埋めてしまおう。この時、先ほどの「努力に対しての自分のクセ」を理解しておくと、よりあなたにとって最適なスケジュールを作ることができる。

それらを全て埋めたあと、今度は勉強等の努力の時間を天引きする。ポイントは、ここで「たくさんの努力時間を確保しようとしないこと」。あまりに多くの努力時間は、理想が高すぎるあまり挫折の原因となる。まずは現実的に30分や1時間程度から始めよう。

最後に、仕事の時間を天引きする(学生であればアルバイトやインターン、授業等)。仕事は、必ず設定した時間内に終わらせるようにしよう。100%完璧なクオリティを求めず、70%の完成度でいいので、期限内に仕事を終わらせることが大事だ。

このようにしてスケジュールを作れば、睡眠・食事・娯楽・努力の時間がしっかり取れる上、娯楽にも努力にも罪悪感なく取り組むことができる。

 

対処法 仕組み化編③:簡単にできることをまず30分行う

「対処法 考え方編②」 で説明した通り、人には、どんなに面倒くさくても作業を始めてしまえば自然とやる気が上がるという「作業興奮機能」が付いている。1日1日、努力を始める一歩を先延ばしにせず踏み出すことが重要なのだ。

この一歩を踏み出しやすくするために、一番最初にやることを「最も簡単なもの」に設定し、その時間を30分だけ行う と区切ってしまうことをおすすめする。

例えば英語の勉強の場合、いきなり複雑な長文読解やリスニングを1時間以上やろうとしても、すぐにつまらなくなるだけだ。

そこで、前日までに覚えた簡単な単語の復習を30分だけ行おうとすることで、作業に取り掛かる心理的ハードルが低くなる。そしていざ始めてしまえば、簡単な内容なのでスムーズに作業を進められ、作業興奮が働く。30分経ったころにはすっかりやる気になっているだろうから、その後はより難しいリーディング等に勉強をシフトしていこう。

しばらくして難解なリーディングに飽きてきたら、休憩を挟むか、または再び簡単な問題を30分間解いてみよう。冷めてきていた脳が、再度作業興奮で活動し始める。

簡単な問題30分→作業興奮が働く→難解な問題を解く→飽きる→簡単な問題30分→作業興奮が働く...という流れを構築できれば、しっかりと努力を継続することができます。

 

努力を重ねれば必ず道は開ける

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今まで、人が努力できない理由と、努力を習慣にするためのいくつかの方法を紹介してきた。

努力しなければ何も始まらないし、努力することで必ず道は開ける。私はそうやって努力を積み重ねて目的を達成していく人を数多く見てきた。

自分の可能性に蓋をしてはいけない。自分の可能性を信じ、一生懸命努力を重ねましょう。自分自身の未来を切り開くのは、紛れもなくあなた自身だ。

 

※この記事を書くにあたって、以下の本を参考にさせていただきました。

ご興味のある方はぜひ一読することをお勧めいたします。

戦略的グズ克服術(原著名:The Now Habit) / ネイル・A・フィオーレ 著

 

レバレッジ勉強法 / 本田直之 著